新選組の3番隊組長としてその名を馳せ、後には映画や小説の中でもその腕前を披露する斎藤一。彼の剣術の腕前は多くの人々に知られていますが、一つの興味深い説が存在します。
「斎藤一は左利き」という説です。この説は、斎藤一が実際に左利きであったのか、それともあくまで作品の中のフィクションなのか、多くのファンや歴史愛好家の間で議論を呼んでいます。
本記事では、様々な記録や作品を基に、この「斎藤一 左利き」説の真相に迫ってみたいと思います。
- 斎藤一が左利きであった可能性とその根拠
- 「るろうに剣心」などの作品での斎藤一の左利きの描写
- 左利きの剣士が実際に存在したのか、その歴史的背景
- 子母沢寛の『新選組始末記』における斎藤一の左利きに関する唯一の記録
斎藤一:左利きの真実
殆どの人は「斎藤一」という名前を聞いても、新選組の隊士としての彼のイメージしか持っていないかもしれません。
しかし、彼には「左利き」だったという説が存在します。それでは、この説の真相に迫っていきましょう。
- 斎藤一と左利きの剣士の存在
- 「るろうに剣心」での斎藤一の描写
- 斎藤の左利き説の起源
- 子母沢寛の『新選組始末記』における記述
「るろうに剣心」での斎藤一の描写
漫画・アニメ版
和月伸宏氏の漫画「るろうに剣心」では、明治で警官となった斎藤一が凄腕の剣士として描かれています。
この漫画の中で、斎藤一は左手一本で繰り出す突き技「牙突」を披露しています。「牙突」の描写を改めて確認すると、左手で剣を構えて繰り出されていることが確認できます。
実写・映画版
また、佐藤健さん主演で実写映画化された「るろうに剣心」でも、斎藤一役を演じている江口洋介さんも、漫画・アニメ版と同様に左手から牙突を繰り出しています。
これらの描写から、斎藤一が実際に左利きだったのか?という疑問を持った方もいるでしょう。
斎藤の左利き説の起源
斎藤一が左利きであったという説の起源は、子母沢寛の『新選組始末記』にあります。
この文献の中で、斎藤と篠原泰之進が新選組隊士の谷三十郎の遺体を検死するシーンが描かれているのですが、その際の会話から、斎藤が左利きであったことが示唆されています。
子母沢寛の『新選組始末記』における記述
子母沢寛の『新選組始末記』は、新選組関係者からの綿密な取材を基に書かれたものです。
その中での斎藤の左利きに関する記述は、小説風ではありますが、事実に基づいている可能性が高いとされています。
ただし、これが「唯一の記録」であるため、斎藤が実際に左利きであったかは定かではありません。
幕末における左利きの剣士
- 左利きの剣士の実際の戦い方
- 幕末の剣道史と左利きの剣豪
- 大石進と斎藤一の共通点
左利きの剣士の実際の戦い方
左利きの剣士と聞くと、刀を右腰に差して左手で抜刀して戦うイメージがあるかもしれません。
しかし、実際は利き手に関係なく、武士は左腰に刀を差して右手で抜刀します。これは、当時の武士の常識であり、例外は存在しませんでした。
幕末の剣道史と左利きの剣豪
幕末の剣道史を振り返ると、左利きの剣豪として名を馳せた人物がいました。その人物は、九州の柳川出身の大石進です。
彼は、竹刀を左手一本で突き出す技を得意としており、この技は左利きでないと強い突きにはならないとされています。
古くから、剣術を学ぶ者は右利きに矯正されるのが一般的でした。そのため、左利きの剣士というのはほとんど存在しないとされています。
大石進と斎藤一の共通点
大石進と斎藤一の共通点は、左利きの剣士としての技を持っていたことです。大石進は、竹刀を左手一本で突き出す技を得意としていました。
一方、斎藤一もこの技を得意としていた可能性があります。
まとめ:斎藤一は本当に左利きだったのか?
斎藤一が左利きであった可能性は、子母沢寛の『新選組始末記』に基づいています。
しかし、ここでの記述が斎藤が左利きであったとする「唯一の記録」であるため、確定的であるとは言えないでしょう。
現状では、斎藤が左利きであった可能性もあれば、そうでなかった可能性もあると考えられる。というのが結論となります。
- 剣術を学ぶ者は自動的に右利きに矯正されるため、左利きの剣士の存在は稀
- 幕末の剣道史において、左利きの剣豪として名を馳せたのは大石進
- 大石進は、竹刀を左手一本で突き出す技を得意としていた
- 斎藤一も、この技を得意としていた可能性がある
- 「るろうに剣心」では、斎藤一が左手一本で繰り出す突き技「牙突」を披露
- 斎藤の左利き説の起源は、子母沢寛の『新選組始末記』にある
- この文献の中で、斎藤が左利きであったことが示唆されている
- この記述が、斎藤の左利き説を語る唯一の記録
- 利き手がどちらであっても、武士は必ず左腰に刀を差し、右手で抜刀する
- 現代の剣道でも、利き手がどちらかは一切考慮されず、右利き用の型で指導される