日本の歴史に名を刻む新選組。彼らの活躍は多くの文献や映像作品で取り上げられていますが、彼らが身に纏っていた「だんだら模様の浅葱色」の羽織は、現存しているのでしょうか?
「新選組の羽織」をテーマに、その真実に迫ります。この記事では、新選組の羽織が現代においても残されているのか、その背景や歴史を徹底的に探求していきます。
- 新選組の隊士が実際に着用していた羽織で現存するものがあるのか。
- 羽織は新選組の隊士の身分や役職を示すものであったこと。
- 羽織のデザインや色が、隊士のランクや役職によって異なっていたこと。
- 浅葱色のダンダラ羽織は非常に短命だった
新選組の羽織は浅葱色?黒色?
新選組とは、幕末の動乱期に活躍した特別な部隊であり、多くの人々に知られています。その中で、新選組のメンバーが身に着けていた「浅葱色のだんだら羽織」には、多くの興味が寄せられています。
しかし、残念ながら今日において、あの有名な新選組の羽織は一着たりとも現存していないのが事実です。ここでは新選組の羽織について解説していきます。
- 羽織の色が持つ意味
- 大丸京都店が復元
- 浅葱色の読み方
- 新選組は黒装束だった
羽織の色が持つ意味
新選組の羽織の色は、浅葱色や黒色が使用されていました。黒色は彼らの団結や一体感を示す色として、また、浅葱色は清廉潔白な心を表す色として使用されていました。
このように、色にはそれぞれの意味が込められており、新選組のメンバーたちの心情や思いを反映していたと言えます。
大丸京都店が復元
現在、多くのネットショップや新選組ゆかりの地などで羽織のレプリカが販売されていますが、大丸京都店が、復元した高品質な新選組の羽織は別格です。
約150年前、新選組は京都の「大丸」という呉服店に羽織を注文したとされています。大丸は2017年に300周年を迎えた際に、新選組と関係が深い「壬生寺」の松浦俊昭貫主の提案を受けて、この羽織の再現に取り組み始めました。
羽織は現存していないため、新選組の歴史に精通した専門家や団体の協力を得て2019年から復元が開始されました。
その過程で、1555年創業の「千總」が制作を統括し「染司よしおか」が国産の麻を藍で染め「有樹和裁」が手縫いで仕立てました。
京都の伝統的な技術を持つ老舗が協力して「2枚の羽織」が復元作成され、1枚は大丸京都店(京都市下京区)1階の特設会場で展示され、もう1枚は壬生寺に奉納されました。
浅葱色の読み方
新選組の羽織に使用されていた「浅葱」は「あさぎ」と読みます。淡い青色を指し、清廉潔白な心を表す色です。
現在において、新選組を象徴する羽織と言えば、この浅葱色のダンダラ羽織となっています。
この色の名前は浅葱というネギのような植物から取られており、古くから日本の伝統色として親しまれています。
新選組は黒装束だった
新選組のメンバーは、主に黒装束を隊服として身に着けていたとされています。この黒装束は、彼らのアイデンティティとも言えるもので、敵からの識別や団結を示すものとして使用されていました。
また、黒装束の羽織は特に重要な役割を果たしており、階級や役職を示すものとして、また、外部からの保護としての役割も果たしていました。
映画やドラマ、漫画などにおいて、新選組は「浅葱色のダンダラ羽織」で描写されることが多いため、黒装束のイメージが湧かない方もいるでしょう。
しかし、池田屋事件が起こった時点で、浅葱色のダンダラ羽織は廃止されて着用されていなかったと言われています。
新選組の羽織が現存しない理由
ここからは新選組の羽織が「現存していない理由」について、詳しく解説していきます。
新選組の活動は、幕末の動乱期に行われており、その後の時代の変遷や戦争などの影響で、多くの遺品が失われてしまいました。
さらに、浅葱色のダンダラ羽織は使用されていた期間が、新選組の発足当初のかなり短い期間だけであったことも、現存している可能性が低いとされています。
- 羽織の保存状態と現存の可能性
- 現存する新選組の遺品から推測
羽織の保存状態と現存の可能性
新選組が京都で活動してから150年以上が経過しています。布製の羽織は劣化しやすく、この長い時間の中での保存は非常に難しいものとなっているでしょう。
また、新選組の活動期間中には多くの戦闘が行われ、その際に羽織が損失した可能性も高いです。これらの理由から、現存する新選組の羽織は無いと考えられています。
現存する新選組の遺品から推測
新選組の羽織は現存していないとされていますが、資料や証言などはいくつか現存しています。これらの遺品を基に、新選組の羽織の特徴やデザインが推測されています。
しかし、これらも完全な真実と断定するのは難しと言えます、証言においては食い違いや、勘違い、記憶違いなどが多く、新選組の羽織の完全な再現は難しいと言えます。
まとめ:新選組の浅葱色のダンダラ羽織は現存していない
記事のポイントをまとめます。
- 羽織は新選組など幕末の武士たちが身につけていた
- 羽織は階級や身分を示す役割も持っている
- 現存する新選組の羽織は存在しない
- 羽織のデザインや色は新選組の役職によって異なっていた
- 羽織の織りや染めの技法は、当時の技術を反映している
- レプリカや模倣品が多く市販されている
- 2021年に大丸京都店が復元・再現している
- 浅葱色のダンダラ羽織においての証言は信憑性が低い